
湯沢市ジオパーク推進協議会ではジオパーク認定に向けた活動を行っていますが、「ジオパーク」ってどういうものか御存知ですか?
ジオパークという言葉が世界で話題に上るようになってから、まだ7年程度しかたっていないため、知らない人がたくさんいると思います。そこで、「ジオパーク基礎知識」のページを作成しました。
(参考ホームページ:
日本ジオパークネットワーク、日本ジオパーク委員会、
経済産業省「日本のジオパーク」)
湯沢市ジオパーク推進協議会ではジオパーク認定に向けた活動を行っていますが、「ジオパーク」ってどういうものか御存知ですか?
ジオパークという言葉が世界で話題に上るようになってから、まだ7年程度しかたっていないため、知らない人がたくさんいると思います。そこで、「ジオパーク基礎知識」のページを作成しました。
(参考ホームページ:
日本ジオパークネットワーク、日本ジオパーク委員会、
経済産業省「日本のジオパーク」)
ジオパーク(Geo Park)の「ジオ(Geo)」は、「大地」や「地球」という意味で、直訳すると「大地の公園」や「地球の公園」になります。では、「ジオパーク」とは、どんな公園でしょうか?
ジオパークは、ジオ(大地・地球)に親しみ、ジオを学ぶ旅(ジオツーリズム)を楽しむ場所です。山や川をよく見て、その成り立ちとしくみに気付き、生態系や人間生活との関わりを考える場所です。足元の地面の下にある岩石から宇宙まで、数十億年の過去から未来まで、山と川と海と大気とそこに住む生物について考える、つまり地球を丸ごと考える場所、それがジオパークです。
ジオパークは、ユネスコの支援により2004年に設立された世界ジオパークネットワーク(Global Geoparks Network : GGN)により、世界各国で推進されている活動です。ジオパークは、以下のように定められています。
・地域の地史や地質現象がよくわかる地質遺産を多数含むだけでなく、
考古学的・生態学的もしくは文化的な価値のあるサイトも含む、明瞭に境界を定められた地域である。
・公的機関・地域社会ならびに民間団体によるしっかりした運営組織と運営・財政計画を持つ。
・ジオツーリズムなどを通じて、地域の持続可能な社会・経済発展を育成する。
・博物館、自然観察路、ガイド付きツアーなどにより、地球科学や環境問題に関する教育・普及活動を行う。
・それぞれの地域の伝統と法に基づき地質遺産を確実に保護する。
・世界的ネットワークの一員として、相互に情報交換を行い、会議に参加し、
ネットワークを積極的に活性化させる。
これらに加えて防災への取り組みも重視されるようになっています。2008年6月にドイツのオスナブリュックで開催された第3回ユネスコ国際ジオパーク会議では、会議の終わりに採択された宣言に、「地質災害に関して社会と知識を共有するためにジオパークが役に立つ」という趣旨の一文が盛り込まれました。
ジオパークはジオに関わる自然遺産を保護しつつ、それを教育や科学の普及などに活用します。保護と活用の両方を重視する点が、主に保護を目的とする世界遺産とは異なる点です。一般の人が近づけない、あるいは保護のためには近づくべきでないような場所は、ジオパークとはなりません。 また、ジオパークは「場所」だけでなく、そこで行われている活動と、その活動を行う人と運営組織が評価にあたって重視されます。「世界遺産より簡単」という誤解があるようですが、実際には加盟にあたって越えるべきハードルの数は世界遺産よりも多いことになります。
ジオパークになるには、まず地域で誰かが音頭を取って、市町村や商工会・観光協会・地域にある博物館や研究機関などの連携を取り、地域協議会など活動の主体を作ります。ジオに関する遺産を含めた地域の自然・文化遺産を使った活動がジオパークでは重要なため、そのような活動を始めることが第一歩です。日本および世界ジオパークへの審査にあたっては、活動の実績が重視されます。その上で日本ジオパークネットワーク(JGN)に参加し、日本ジオパーク委員会の審査を受けてパスすることで、「日本ジオパーク」として認められます。さらに国際的な活動を進めて、さらに世界ジオパークネットワーク(GGN)による審査を受けてパスすると、「世界ジオパーク」として認められます。
ジオパークの解説によく見られる、ジオサイトやジオツアーとは、どういうものでしょうか?
ジオサイトとは、地質、地形、歴史などそのジオパークを特色づける見学場所や拠点となる博物館のことです。例えば、地形の景観、岩石や化石が見られる崖、歴史建造物、植物の群生地などです。
ジオツアーとは、ジオパークの中でジオサイトを巡るツアーのことです。各地のジオパークでは、多くのモデルコースを作っており、ガイドと一緒にジオサイトを巡ることで、ジオパークの大地の成り立ち、文化や歴史を学んで楽しめるようになっています。つまり、ジオパークの面白さはこのジオサイトやジオツアーの数や多様性で決まるといっても過言ではありません。
ビジターセンターや博物館でガイドマップやガイドブックを手に入れて、自分でジオパークの見どころを回る事もできますが、ぜひガイドが案内するツアーに参加しましょう。思いがけない発見があります。
何気なく見ている山や川には、それぞれ他のどことも違う成り立ちがあり、何かの訳があって今のような姿になっているのです。何の変哲もない崖が、地球の歴史をひもとく重要な古文書の一部であったりします。そういうことに一度気付くと、普段何となく見ている景色もそれまでとは違った、かけがえのない素晴らしいものに見えてきます。ジオツアー、楽しいと思いませんか?