世界初の化石!ホタルガの新種を報告!

2025年06月20日

**市で保管・展示している化石がウスバホタルガ属の新種であることがわかりました**

 

 2012年から湯沢市により保管・展示されてきた化石がウスバホタルガ属の新種であることがわかり、2025年5月9日、国際的な古生物学の学会であるThe Paleontological Societyの学術誌Journal of Paleontologyのオンライン版にFirst Viewで掲載されました。

 この化石の標本は地元の高校教諭であった押切伸氏により 1995 年に収集され、約350万年前の湯沢市の湖成層より産出したヤガ科※1の仲間として「ジオスタ☆ゆざわ」で保管・展示してきました。しかし、市や当協議会と協力関係にある研究チーム (慶應幼稚舎 高橋唯教諭ら) がヤガの仲間ではないことに気づき、2023 年から研究を開始、関係機関とともに検討を進めた結果、国内には現在生息していないウスバホタルガ (Agalope) 属※2 の新種として証明されました。

 ウスバホタルガ属はもちろん、それより広域な分類群であるホタルガ亜科※3 の化石の報告は世界で初めてであり、蛾の化石が新種として記載されること自体も国内では初めてのことです。

新種の名称は押切伸氏にちなんでオシキリウスバホタルガ (Agalope oshikirii) として記載されました。

 

※1 鱗翅目の中でも種数が最も多く、地味で夜行性が中心の蛾のグループ。

※2 ヒマラヤ山脈の丘陵地帯や、中国、ベトナム、台湾などに15種が分布している。

※3 昼行性の美しい蛾のグループで、およそ400種が東アジアからミクロネシアやメラネシアの島々に生息している。

 

参照リンク:慶應義塾大学プレスリリース

 

オシキリウスバホタルガ(新種)の翅化石

 

新種化石を含む様々な昆虫化石が保管・展示されているジオスタ☆ゆざわ(湯沢市郷土学習資料展示施設)

 

押切伸・三途川化石資料室

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