平成28年度秋田県ジオパーク研究助成事業の採択学術研究成果について
2017年05月30日
秋田県ジオパーク連絡協議会(八峰白神ジオパーク/男鹿半島・大潟ジオパーク/ゆざわジオパーク/鳥海山・飛島ジオパーク構想)では、県内ジオパークでの地域基礎研究の底上げを目的に、研究助成事業を平成27年度より始めました。採択された学術研究及びその成果概要を公開します。なお、研究成果概要の無断転用は禁止します。
【秋田県ジオパーク研究助成事業とは】
学術的な面から地域の価値を創出し、学術資料の蓄積と情報発信を図り、地域資源や地域の魅力の再発見に結びつけるため、学生・研究者・教員等に対し研究費用の助成を行います。
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<研究の名称>
旧石器・縄文時代における男鹿産黒曜石の利用と拡散について
<氏名(所属)>
吉川 耕太郎(秋田県立博物館)
<研究の目的・内容>
旧石器・縄文時代において石器石材として利用が確認されている男鹿半島産出の黒曜石について、当時の人々による利用の実態と拡散範囲を通時的に明らかにする。
<研究成果概要>
※本研究助成の成果の一部は既に、秋田県立博物館研究報告第42号(2017年3月)に報告されています(インターネットによる閲覧も可能です)。
http://www.akihaku.jp/publication/report/report.htm
※所属は平成29年3月末現在です。
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<研究の名称>
秋田県仁賀保地域における活断層の分布と性状の解明
<氏名(所属)>
佐々木 亮道
<研究の目的・内容>
秋田県にかほ地域には、仁賀保丘陵の西麓に南北方向の数条の断層(仁賀保衝上断層群)が存在することが従来から知られている。
しかし、それらの断層が活断層として活動し、将来地震を発生させるのかどうかはよく分かっていない。
筆者らの調査によって、従来考えられていた仁賀保丘陵西麓よりやや低地側(西側)の白雪側沿いに活断層が存在し、数千年前以降、
数回の地震があったことが明らかになってきた。この活断層は、にかほ市北方の海域にも延長していると考えられることから、過去の
地震時に津波を発生させた可能性もある。この活断層の分布と性状を明らかにし、防災に役立てることが研究の目的である。
<研究成果概要>
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<研究の名称>
秋田県南部地域における雪と民俗――除排雪に関する民具を中心に
<氏名(所属)>
川邉 絢一郎 (大磯町郷土資料館)
<研究の目的・内容>
秋田県内における雪に関する民族を比較することで、積雪量が民族に与える影響を明らかにし、自然環境と人々の生活との関係を考察することを目的とする。
秋田県は、全域が豪雪地帯または特別豪雪地帯に指定されている。ただし、各地域の積雪量は地形等の影響により異なる。積雪量の差異は当然、地域の人々
の暮らしに影響を与え、多様な民具や語彙・伝説などの口承文芸を生み出していると考えられる。また、各地の生活文化を比較する民俗学的方法によって、
各ジオパークの特徴を示すことも試みる。
<研究成果概要>
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※研究の目的、内容については研究助成金交付申請書からの抜粋です。
※公開する研究成果概要は成果の一部(概要版)です。
※研究成果概要の無断転用は禁止します。